
ピロリ菌の自費検査
ピロリ菌の自費検査
ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ)は、胃の粘膜にすみつき炎症を起こす細菌で、日本人の胃がんの最大のリスク因子とされています。感染していても自覚症状がないことが多く、気づかないまま放置すると慢性胃炎や胃潰瘍、さらには胃がんへ進展する可能性があります。
自費で行うピロリ菌検査は、保険の条件に当てはまらない方でも受けられる方法です。簡単な検査で感染の有無を知ることができ、もし陽性であれば除菌治療を行うことで胃がんのリスクを大幅に減らすことができます。
「今の自分の胃の状態を知る」ことが、将来の健康を守るための大切な一歩です。まずはピロリ菌検査で、自分のリスクを確認してみませんか。
ピロリ菌検査は、基本的に一度感染の有無を調べれば十分です。なぜなら、ピロリ菌は一度感染すると自然に消えることはほとんどなく、逆に除菌に成功すれば再び感染することも稀だからです。そのため、がん検診や健康診断のように「毎年繰り返し受ける」必要はありません。
また、ピロリ菌は主に幼少期に感染するものであり、大人になってから新たに感染するケースは比較的まれです。そのため、一度陰性と確認された方が、後になって再び感染する心配はほとんどありません。
つまり、「まだ一度も検査を受けたことがない方」や「過去に除菌をした方で除菌後判定を受けていない方」 が対象であり、定期的な繰り返し検査は不要です。そのかわりに、一度でもピロリ菌に感染したことのある方は、除菌後であっても一定の胃がんリスクが残るため、胃の状態を確認するための内視鏡検査を定期的に受けることが、胃がん予防には大切です。
ピロリ菌抗体を調べる血液検査は、採血だけで簡単に行えるため、初めてピロリ菌の有無を調べる方に一般的に選ばれる方法です。健診や人間ドックに組み込まれていることも多く、受けやすいのが大きな特徴です。ただし、血液検査は「過去に感染していた場合」でも陽性になることがあるため、除菌歴のある方には不向きな検査です。
尿素呼気試験は、ピロリ菌が胃の中に存在すると「尿素」を分解して二酸化炭素を発生させる性質を利用した検査です。専用の薬を飲んだあとに呼気を採取し、二酸化炭素の増加を測定することで感染の有無を判定します。この方法は、現在ピロリ菌に感染しているかどうかを調べる上で最も信頼性が高い検査とされています。除菌治療後の判定にも広く用いられています。ただし、検査前には一定時間の絶食が必要であり、また胃酸を抑える薬を服用していると結果に影響を及ぼす場合があります。そのため、検査前には服薬状況を医師に伝えることが大切です。
ピロリ菌検査で陽性となった場合には、医師の診察を受けて除菌治療を行うことが一般的です。治療は、2種類の抗菌薬と胃酸を抑える薬を1週間程度内服することで行われます。除菌が成功すれば、胃がんの発生リスクを大幅に下げることができると報告されています。
治療後は、菌がしっかりと除去できたかを確認する「除菌判定検査」が必要です。通常、治療終了後1〜2か月以上経ってから、尿素呼気試験で確認します。
ピロリ菌は、感染していても自覚症状が乏しいことが多い細菌です。陽性と判定された方は、放置せずに適切な治療を受けることが大切です。
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