診療コンセプト|日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック|内視鏡内科・消化器内科・肛門内科

〒103-0012東京都中央区日本橋堀留町1丁目10-14いちご人形町ビル1階

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診療コンセプト

診療コンセプト|日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック|内視鏡内科・消化器内科・肛門内科

快適な検査環境と、

診断精度を両立した内視鏡検査

日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック

院長石岡 充彬

診療で大切にしていること

現代医療における内視鏡検査の位置づけについて教えてください

内視鏡検査は、胃がんや大腸がんをはじめとする消化器がんの早期発見および早期治療介入を可能にする、極めて有用な診断手段です。
一方で、検査に対して「痛み」や「苦痛」といった過去の辛い経験から負のイメージを持たれている方も少なくありません。当院ではそうした身体的・心理的負担を最小限に抑えることを大切にしています。患者様が安心して内視鏡検査を受けられる快適な環境と、がん専門病院と同等の診断精度を両立した質の高い内視鏡医療の提供をめざしています。

診療ではどのようなことを心がけていますか?

一人ひとりの患者様に十分な診療時間を確保し、個別の状況や背景に寄り添った診療を心がけています。予約枠を適切に調整し、症例検討や病状説明に十分な時間をかけ、検査結果や症状の経過を踏まえた上で、治療方針を患者様と共有しながら丁寧にご提案しています。

たとえば薬剤処方では「なぜこの薬を使用するのか」という根拠や、他の選択肢はどのようなものがあるかをお伝えします。また、効果が得られなかった場合は考えられる要因や、その次の治療プランについても可能な限り説明するよう心がけています。症状が起こっている背景を踏まえ、治療方針についても医学的な観点からお伝えすることで、患者様がご自身の症状や身体の状態を理解し、次にどのような対応を取るべきかを主体的に考えていただけるようになります。こうした医学的な知識を深めていただく支援も、重要な要素と考えています。

胃カメラ検査について

胃カメラ検査が怖い・不安という方でも、
落ち着いて検査を受けられるように工夫していることはありますか?

胃カメラ検査は、初めての方はもちろん、毎年受けている方でさえも、検査前には緊張や不安を感じることが少なくありません。そうしたお気持ちに寄り添い、鎮静剤を使用した無痛の内視鏡検査を得意とするクリニックとして、心身ともにリラックスできる検査環境を整えています。
鎮静剤は患者様各々の体調や全身状態を考慮し、種類や投与量をきめ細かく調整しています。検査は眠っているような感覚で受けられるため、「気づいたら終わっていました」とおっしゃる方も多くいらっしゃいます。また、楽に終えるために単に薬剤量を増やしただけでは、検査後の副作用が強く出る恐れがあります。楽に検査が受けられることは大前提とし、検査後のスムーズな覚醒まで意識した薬剤調整を行うことで、身体への負担を抑えながら、安全に配慮した検査が可能です。待合室やリカバリールームも落ち着いた照明と静かな空間に整え、検査前後を安心してお過ごしいただけます。

検査で使用される胃カメラの太さはどのくらいですか?

従来の経口内視鏡と同等の高画質を保ちながら、直径7.9mmと細く設計されているスコープを採用しています。鎮静剤を併用することで、「鼻カメラよりも楽な口からの胃カメラ」を実現しています。咽頭がん・食道がん・胃がんのリスクが高い方には、拡大観察機能を搭載したスコープを使用し、より詳細な観察を行うことも可能です。

“見つけにくいがん”を発見するためには、どのような技術や経験が必要なのでしょうか?

正確な診断のためには、内視鏡機器の性能だけでなく、医師の専門性や経験値が欠かせません。特に診断が難しい「微小がん」や「スキルス胃がん」、「ピロリ陰性胃がん」、「バレット食道がん」などの診断には、専門的な経験と訓練が不可欠です。日本消化器内視鏡学会専門医・指導医資格はもちろんのこと、大学病院やがん専門病院、大手内視鏡クリニックでの多くの症例経験と実績が当院の強みです。これまで培ってきた知識と技術を基盤に、粘膜の色調変化や微細な形態異常といった早期病変の兆候を多角的に評価し、診断精度の向上に努めています。他施設で見逃されたごく早期のがんを発見し、内視鏡的治療へスムーズに移行した症例も数多く経験しています。

胃がんは、一定のスピードで進むわけではなく、初期はゆっくり、病期が進むほど増殖が加速しやすい性質があります。早期胃がんの自然経過を追った研究では、早期癌が進行胃癌になるまでの期間は中央値で約3年半(44か月)と報告されており、早期のうちに治療できるタイミングはそう長くありません。また、別の研究では、胃がんを未治療で経過した例の解析で、病期I→IIは約34か月、II→IIIは約19か月と年単位ですが、III→IVは約1.8か月と後半ほど一気に加速していました。つまり、初期は年単位、進むと月単位で悪化する、ということです。「症状がないから大丈夫」と検診を先のばしにしているあいだに、病変が一気に進行してしまうこともあります。だからこそ、定期的な内視鏡検診で症状がないうちに病変を拾い上げることが重要です。

大腸カメラ検査について

大腸カメラ検査に不安や抵抗感があるという方でも、
安心して検査を受けられるように工夫していることはありますか?

大腸カメラ検査は、胃カメラ以上に心理的なハードルが高く、初めての検査への一歩を踏み出せない方が少なくありません。特に女性の場合、お尻からスコープを挿入されるということへの羞恥心や、大量の下剤服用への抵抗感を感じる方が多いようです。
大腸カメラ検査でも鎮静剤の使用が可能です。鎮静剤には苦痛の緩和だけではなく、不安を和らげる効果もありますし、眠っている間に検査を行うことで、検査中に羞恥心などを感じることもありません。実際に検査を体験した女性の意見をもとに、「検査時の服装」や「男性と顔を合わせない導線設計」などの工夫も取り入れています。院内で快適に事前準備を進めていただけるカフェのような半個室の院内下剤スペースやトイレ付き個室のご案内も可能です。
当院では女性の方が安心して検査を受けられるよう、細やかな配慮を随所に施しています。様々なお悩みに対し、オーダーメイドの検査環境をご用意することで、一つたりとも嫌な思いをすることなく大腸カメラ検査を受けていただけるように努めております。

鎮静剤を使用した検査では、検査後、すぐに目が覚めますか?

診察時に体調や体型、薬の効き方、痛みの感じ方を丁寧に確認し、患者様ごとに最適な鎮静方法を決定しています。鎮静剤の種類や量を細かく設定し、安全性を重視し、眠っているようなリラックス状態で検査を受けていただけるよう配慮しています。検査後に意識が速やかに戻るということも大切なポイントで、患者様がスッキリと目覚めて、安心してお帰りいただけるように鎮静剤を調整しています。過去に「鎮静剤が強すぎて、検査後の体調復帰に時間がかかった」「頭痛や吐き気が残った」など不快な経験をされた方なども、お気軽にご相談いただければ、と考えています。

下剤服用が苦手な方に工夫していることはありますか?

大腸カメラ検査では、前処置薬剤で大腸内をいかに綺麗にできるか、ということが病変の発見率と直結しますから、下剤の服用は欠かせません。また、医師の技術面だけではカバーできない部分ですので、どうしても患者様ご自身の協力が欠かせない部分でもあります。従来法では約2リットルほど下剤を服用しますが、「服用量が多くてつらい」「味が苦手」「服用中に体調が悪くなった」などの理由で検査をためらわれる方も多くいらっしゃいます。
当院ではこうした負担を軽減するため、複数の下剤の種類を取り揃えて、多様なニーズに応えるとともに、下剤を服用せずに実施する大腸カメラ検査も導入しています。
胃内視鏡を用いて十二指腸から小腸側に下剤(腸管洗浄液)を機械的に注入する内視鏡的下剤注入法を鎮静下で実施し、眠っている間に下剤内服が完了した状態となります。覚醒後にトイレに数回通うだけで検査準備が整うため、スムーズに大腸カメラ検査へ移行できます。これにより、従来の下剤服用の味や量に抵抗を感じていた方でも、快適に検査を受けていただくことが可能です。

大腸カメラ検査は、医師の経験や技術によって、検査の精度や患者の印象に差が出るのでしょうか?

大腸の検査は特に技術力が必要だと感じています。求められるのは「挿入」「観察」「治療」の3つの要素です。
まず、挿入についてですが、「大腸カメラは痛い」という声もありますが、その印象は医師の熟練度や手技によって大きく左右されます。当院では軸保持短縮法や浸水法など症例ごとに最も適切な挿入法を選択することに加え、高度癒着症例や腸管過長などの一般的に「挿入困難例」とされる患者様にも対応できるよう、下部消化管用極細径スコープ「EC-760XP/L」を導入し、盲腸到達率100%を達成しています。

次に観察について。これまで培ってきた経験に加え、基本的に拡大観察が可能な高性能スコープを使用することや、画像強調内視鏡下での観察をベースにおき、見逃されやすい小さな病変や平坦病変・陥凹病変も正確に捉えることができると自負しています。がん専門施設で磨き抜いた技術と最新の医療機器を活かし、身体への負担を最小限に抑えながら、より精密で快適な検査を実施します。病変の発見率は内視鏡医によって異なり、大腸ポリープの発見率が高い内視鏡医の検査を受けた人と、発見率の低い内視鏡医の検査を受けた人とでは、その後の大腸がん死亡率が異なることが論文でも示されています。これは、ただ単に検査を受けるだけではなく、誰に検査をしてもらうかがいかに重要かということを示しています。

最後に治療について。適切な観察技術・診断技術に基づいて、病変を正しく評価することで、適切な治療法を選択することで、再発なく、かつ合併症を最小限に抑えた治療が可能となります。
大腸カメラ検査は、一度受けて終わりではなく、定期的に行うことで初めて疾患の早期発見や再発予防につながる大切な検査です。一方で、「下剤がつらい」「痛みが不安」「恥ずかしい」といったイメージから、検査をためらう方も少なくありません。そうした現状を変えるべく、「ここでなら受けてみよう」と思っていただける検査環境をめざしています。

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