大腸カメラ
大腸カメラ
大腸カメラ(下部部消化管内視鏡検査)では、肛門から長いカメラを挿入し、直腸から大腸の内部、そして小腸の一部までを直接観察し、異常の有無を確認することができる検査です。大腸カメラによって大腸ポリープが発見された場合は、その場で切除することも可能です。
また、大腸がんや炎症性腸疾患などの病気が疑われた場合には、必要に応じて検査中に組織の一部を採取(生検)することもできます。切除したポリープや、生検した組織を顕微鏡で詳しく調べることによって、一回の検査で確定診断まで行うことのできる唯一の検査方法です。
大腸カメラ検査は、胃カメラ以上に心理的なハードルが高く、なかなか初めての検査への一歩を踏み出せない方が多いです。下剤のことや痛みがないかなど、不安に感じることはなんでもお気軽にご相談ください。
大腸ポリープ切除は、大腸がんの予防において最も有効かつ確実な方法です。一方で、検査者の技術や病変発見率はばらつきが大きく、大腸がんの予防効果に直接的な差が出ることが知られています。一般的に「大腸ポリープ」としてイメージされる隆起型の腫瘍は、誰にでも発見は容易です。
一方で遺伝性大腸がんの初期病変としても多い、平坦型や陥凹型の腫瘍は見逃されやすく、進行も早いことから、高い診断能力が求められます。当院の大腸カメラ検査は全て豊富な症例経験を持つ院長が担当するのでご安心ください。
また、当院は国内の内視鏡クリニックとして最も早く富士フイルム社の最先端の内視鏡システム「ELUXEO 8000システム」を導入しました。このシステムの高出力LED照明と多彩な画像強調技術を組み合わせることで、病変の視認性が格段に向上しました。大腸カメラ検査のメイン機種は全て135倍までの拡大観察機能を搭載したモデルを採用し、確実な術前診断に基づく最適な治療法の提供を可能にしています。
大腸カメラは、痛みや不快感に対する心配に加え、女性の方は「恥ずかしい」と言った心理的ハードルを多く感じやすい検査です。鎮静剤(麻酔)を使うことによって、ウトウトと眠っている間に検査を受けることが可能で、これらのお悩みに対処することが可能です。また、過去に鎮静剤がうまく効かなかった、他の病院で癒着があると言われた、腸が長いと言われたなど、いわゆる「挿入困難例」と呼ばれる症例への対処もお任せください。
当院では、鎮静剤を用いること以外にも、痛みの少ない腸に優しい挿入法を得意としています。ご希望の方はご自身の大腸の中を一緒に見ながら検査をお受けいただくことも可能です。患者様一人ひとりの体調や状態に合わせ、麻酔の種類や量をオーダーメイドに調整し、安全に配慮した検査を実施します。
大腸ポリープの日帰り切除手術にも対応しています。当院での大腸カメラ検査時に見つかった大腸ポリープは、原則として発見時にその場で切除します。また、他の医療機関で発見されたポリープの切除も対応可能です。内視鏡治療件数が年間3500例以上と、世界トップレベルの治療実績を誇るがん研有明病院で研鑽を積んだ院長が、病変を的確に選別し、最適な治療法を選択します。
また、病変が極端に大きい場合や、出血リスクが高い病変など、入院治療が望ましいと判断した場合には、治療連携を図っている経験豊富な専門病院へのご紹介も可能です。
大腸カメラ検査は、肛門から直腸、大腸、小腸の一部までを直接観察し、様々な病気を診断することが可能です。大腸カメラ検査で診断できる主な病気は以下の通りです。
全国的に使用頻度が高い下剤は、マグコロール P・モビプレップ・サルプレップ・ニフレックの4種類です。それぞれに味や洗浄力が異なります。
サルプレップ | モビプレップ | マグコロールP | ニフレック | |
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飲む量 | 480〜960㎖ | ○ 1000〜2000㎖ | △ 1800㎖ | △ 2000㎖ |
味 | △ 苦味あり | ○ 梅風味 | ◎ スポーツドリンク | ○ 薄い塩レモン味 |
洗浄力 | ◎ 最も強い | ◎ 強い | ○ 標準 | ○ 標準 |
一番飲みやすいのはスポーツドリンクのような味の「マグコロールP」ですが、洗浄力は弱めで、1800mlとたくさんの量を飲む必要があります。反対に、最も洗浄力の高い下剤は「サルプレップ」で、味は苦味があってやや飲みにくいですが、少ない量で腸がキレイになるメリットがあります。水やお茶などで口の中をリセットしながら飲むと、割とあっという間です。どれを飲みやすいと感じるかは個人差もありますので、飲めるか不安がある方は事前診察の際にご相談ください。
多くの方が大腸カメラ検査を受ける際に抱える不安の一つが、検査前に服用する大量の下剤です。腸をきれいに洗浄することは、精度の高い検査をするためには欠かせないプロセスですが、どうしても下剤の量や味が苦手で飲めない、という方もいらっしゃいます。
事実、私の母も下剤の味がネックとなり大腸カメラを受けられないでいた一人でした。このような方でもなんとか楽に検査を受けられる方法はないか?と辿り着いたのが、下剤を飲まずに大腸カメラを受けられる「下剤注入法」です。母も「非常に楽に検査を受けられた、これなら毎年でも受けられる」と喜んでくれました。下剤を理由に大腸カメラ検査をためらっている方、または過去に下剤でつらい経験をされた方は、ぜひ当院までご相談ください。
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検査予約
大腸カメラ検査は24時間WEBからご予約可能です。事前に下剤のお渡しが必要になりますので、原則検査日の7日前までに検査のご予約とは別に「下剤の受け取り」のご予約もお取りください。
また、ご来院前にWEB問診への回答も済ませていただくと、当日スムーズにご案内が可能です(事前にWEB問診への回答をいただけていない場合は、来院後にご記入いただきますので、お呼び出しの順番が前後する可能性がありますことご了承ください)。
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検査前日
食事 |
検査前日は丸1日、食事制限があります。食物繊維の豊富なものは食べないようにし、夕食は夜21時までに済ませてください。それ以降は絶食です。 食事の注意事項については、ページ下方の「大腸カメラ検査前日、検査後の食事や注意事項について」のリンク内に詳細がありますので、あわせてご覧ください。 |
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飲み物 | 水分摂取は制限ありません。いつもより多めに水分をとっていただくと、より排便がスムーズです。アルコールは控えてください。 |
内服 | 常用薬やサプリメントなどは、通常通り内服してください。 |
下剤(錠剤) | 夜21時にあらかじめお渡ししている錠剤の下剤をお飲みください。 |
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検査当日
ご自宅で下剤を飲む方 | 院内で下剤を飲む方 | |
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下剤(液体) | 検査の4〜5時間前から下剤を飲み始めます。2時間ほどかけて飲みきり、腸が完全にきれいになって便意が落ち着いてから、ご来院いただきます。 | 予約時間にご来院ください。来院後より下剤を飲み始め、きれいになり次第、検査にご案内します |
食事 | 検査当日は、検査終了後まで食べられません。 | |
飲み物 | 下剤を飲んだ後は脱水になりやすいため、水・お茶・スポーツドリンクなどの色の薄い透明な液体を積極的に飲んでください。 | |
内服 | 常用薬やサプリメントなどは、原則として起床時(検査の2時間前まで)に内服してください。※ | |
※糖尿病の方へ | 糖尿病の薬は飲まないようにしてください。インスリン注射をしている方は、主治医の指示に従ってください。 | |
※抗血栓薬(血液をサラサラにする薬)内服の方へ | 抗血栓(血液をサラサラにする薬)は自己判断で休薬しないでください。ワーファリン内服中の方は、検査前1週間以内の事前採血が必要となりますので、検査前日までに必ず一度ご来院ください。 |
ご来院方法について
鎮静剤(麻酔)を使用する場合、当日の車・バイク・自転車の運転はできませんのでご注意ください。
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来院後〜検査
ご来院後、受付をします。事前にWEB問診への回答がお済みでない場合は、来院後にご記入いただきます。
検査着に着替えていただき、いよいよ検査です。鎮静剤(麻酔)を投与すると1分程度で眠たくなります。鎮静剤が効いていることを確認し、大腸カメラを挿入し検査を行います。検査時間は10〜30分程度です。
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検査後
検査が終わった後は、リカバリールームでお休みいただきます。その後、医師から検査時の画像をお見せしながら検査結果の説明を行います。大腸ポリープの切除や、組織検査などを行った場合は、最終の診断結果が出るまでお時間を要する場合がありますので、必要時ご案内します。
検査前日の食事制限があります。腸をいかにきれいにできるかが、検査の精度に直結します。特に食物繊維を含む食材は絶対に食べないようにしてください。
食事の注意事項については、ページ下方の「大腸カメラ検査前日、検査後の食事や注意事項について」のリンク内に詳細がありますので、あわせてご覧ください。
検査後は、すぐに召し上がっていただいて構いません。検査後最初のお食事はなるべく消化のよいものを選びましょう。検査当日は鎮静剤(麻酔)の影響もありますので、飲酒は控えましょう。
大腸カメラ検査そのものの時間は10〜30分程度です。大腸ポリープの有無や、処置内容により前後します。鎮静剤(麻酔)を使用し、ウトウト眠っている間に終えることも可能ですし、ご希望があれば一緒にご自身の大腸の中を確認しながら検査を行うことも可能です。
下剤を飲んでキレイになるまでに通常2〜3時間程度を要します。ご来院いただいて下剤を飲み始めてから、約3時間後に検査へご案内し、その後リカバリールームでお休みいただいたのち、結果の説明等を行います。
ご来院されてからお帰りになるまでおおよそ4〜5時間程度を見込んでいますが、排便状況により大幅に前後する場合がありますので、検査後のスケジュールにはゆとりをもっていただくことをお勧めします。
ご自宅で大腸の洗浄を終えてからご来院いただき、検査のみ院内で行います。鎮静剤(麻酔)を使用しての検査の場合、検査後にリカバリールームでお休みいただいたのち、結果の説明等を行いますので、ご来院されてからお帰りになるまでおおよそ60〜90分程度を見込んでいます。多少前後する場合がありますので、検査後のスケジュールにはゆとりをもっていただくことをお勧めします。
大腸カメラ検査は保険が適用されます。費用は下記より詳細をご確認ください。
1割負担 | 3割負担 | |
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大腸内視鏡(観察のみ) | 2,500円前後 | 7,500円前後 |
大腸内視鏡+病理組織検査 | 3,000〜5,000円前後 | 10,000〜22,000円前後 |
大腸内視鏡+ポリープ切除査 | 7,000〜12,000円前後 | 20,000〜36,000円前後 |
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