便が細い。解消方法や疑われる疾患を消化器専門医が解説|日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック

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便が細い。解消方法や疑われる疾患を消化器専門医が解説

便が細い。解消方法や疑われる疾患を消化器専門医が解説|日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック

2024年10月27日

便が細い

「最近、便が細くなった気がする…」

そう感じていませんか? 便通の異常は、日常生活の中で様々な病気の初期症状として現れます。

例えば、便秘や下痢によって便の形状が変化することは珍しくありません。しかし、長期間にわたって便が細い状態が続く場合は、大腸がんや炎症性腸疾患などの病気が潜んでいることも考えられます。

本記事では、細い便が示す可能性のある病気やその原因、大腸がんとの関連性、そして早期発見の重要性について詳しく解説します。
「たかが便の太さ」と安易に考えず、気になる症状があれば早めに医療機関を受診しましょう。

当クリニックでは、豊富な経験と専門知識を持つ消化器専門医が、便が細くなる原因を丁寧に診断し、適切な治療法をご提案いたします。

便が細い・便秘の時は何科を受診すればいい?

便が細くなったと感じたら、まず消化器内科を受診しましょう。

消化器内科は、食道、胃、小腸、大腸などの消化管の病気を専門的に診る診療科です。便が細くなる原因には、大腸ポリープや大腸がんなど、消化器系の病気が隠れている可能性があります。

消化器内科では、問診や視診、触診などの基本的な診察に加えて、必要に応じて以下の検査を行います。

大腸内視鏡検査(大腸カメラ)

肛門から内視鏡を挿入し、大腸の内部を直接観察する検査です。大腸内視鏡検査は、腸内の異常を直接確認する最も有効な方法です。大腸ポリープや大腸がんの早期発見が可能であり、大腸ポリープを切除することで、大腸がんへの進行を防ぐこともできます。炎症性腸疾患などの診断にも役立ちます。

直腸鏡検査

潰瘍性大腸炎は直腸から口側方向に連続性をもって進展していくことが一般的で、直腸のみを観察するだけでも有効な診断が得られる場合があります。また、痔疾患など直腸周囲の疾患が原因として疑われる場合は、直腸鏡検査であれば下剤などの前処置を必要とせずに簡単に検査を行うことができるなどのメリットがあります。

これらの検査結果に基づいて、原因を特定し、適切な治療を行います。

関連記事:消化器内科大腸カメラ

便が細くなる原因は?

便が細くなる原因は様々ですが、大きく分けて以下の3つが考えられます。

便通の異常

・便秘

便が腸内に長くとどまることで水分が過剰に吸収され、硬く細くなることがあります。

・下痢

腸の運動が活発になりすぎると、便が十分に形成されないまま排出されるため、細くなることがあります。

・残便感

便意があっても排便しきれず、残便感がある場合、細い便しか出ないことがあります。

腸の病気

・大腸がん

大腸がんが進行すると、腸管が狭くなり、便が細くなることがあります。血便や腹痛、体重減少などの症状を伴うこともあります。

・大腸ポリープ

大腸の内壁にできたポリープが大きくなると、便の通り道を狭くし、便が細くなることがあります。ポリープの中には、がん化する可能性のあるものもあるため注意が必要です。

・炎症性腸疾患(クローン病、潰瘍性大腸炎など)

腸に炎症が起こることで、腸管が狭窄し、便が細くなることがあります。下痢や腹痛、血便などの症状を伴うこともあります。

・過敏性腸症候群(IBS)

ストレスなどにより腸の運動が乱れ、便秘や下痢を繰り返すことで、便が細くなることがあります。

肛門の病気

・痔核(いぼ痔)

肛門の血管が腫れて、便の通り道を狭くすることがあります。出血や痛み・かゆみ・粘液などを伴うこともあります。

・肛門狭窄

裂肛(切れ痔)を繰り返すことで肛門が狭くなり、便が細くなることがあります。また、過去の手術や炎症などが原因で起こることもあります。

これらの原因に加えて、食生活の乱れや運動不足、ストレスなども便が細くなる原因となることがあります。

便が細い時に疑われる病気

便が細くなる症状は、様々な病気が原因で起こる可能性があります。
特に注意が必要な病気として、大腸がんが挙げられます。

大腸がんは、初期段階では自覚症状が少ないため、便が細くなる、血便が出る、便秘や下痢を繰り返すといった症状に気づいた時には、病気が進行している場合もあります。

大腸がん以外にも、便が細くなる原因となる病気には以下のようなものがあります。

大腸ポリープ

大腸の粘膜にできる隆起物です。大きくなると便の通り道を狭くし、便が細くなることがあります。一部のポリープは大腸がんに進行する可能性があります。

炎症性腸疾患

腸に炎症が起こる病気です。クローン病や潰瘍性大腸炎などがあり、腹痛や下痢、血便などの症状を伴うことがあります。炎症によって腸管が狭くなり、便が細くなることがあります。

過敏性腸症候群

過敏性腸症候群(IBS)は、大腸の動きに異常が生じ、便が細くなることがある疾患です。IBSは心理的なストレスや食生活の乱れが関係しており、症状として腹痛や下痢・便秘の反復が見られることも多いです。

痔核(いぼ痔)

肛門の血管が腫れて、便の通り道を狭くすることがあります。出血を伴うこともあります。

肛門狭窄

肛門が狭くなることで、便が細くなることがあります。過去の手術や炎症などが原因で起こることがあります。

これらの病気の可能性を考慮し、自己判断せずに医療機関を受診することが大切です。
特に、40歳以上の方、血便を伴う方、家族に大腸がんになった方がいる方は、早めに消化器内科を受診し、検査を受けることをおすすめします。

便が細い時にはストレスも関係ある?

ストレスと便の状態は密接に関係しています。
ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、腸の働きにも影響を及ぼします。

自律神経には、活動時に働く交感神経と、リラックス時に働く副交感神経の2種類があります。ストレスを感じるとこの交感神経と副交感神経とのバランスが崩れ、正常な腸の運動が抑制されて便秘になったり、腸の運動が異常に活発化し下痢になったりします。

このストレスに伴う便通の異常は過敏性腸症候群(IBS)とも呼ばれ、腹痛を伴う便秘や下痢などの症状を引き起こします。

ストレスにより、便が細くなるだけでなく、便通の異常や腹部の不快感を伴う方は、ストレスを解消するために、以下のような方法を試してみましょう。
・十分な睡眠をとる
・適度な運動をする
・リラックスできる時間を作る
・趣味を楽しむ
・悩みを相談できる相手を見つける

これらの方法を実践することで、ストレスを軽減し、腸内環境を整えることができます。 便通の改善だけでなく、心身の健康のためにも、ストレスをうまくコントロールすることが大切です。

便が細くなるのを解消するには?

便が細くなるのを改善するには、その原因に対処することが重要です。
生活習慣の改善で対応できる場合も多く、以下の点に注意してみましょう。

食生活の改善

食物繊維を豊富に含む食品を積極的に摂取し、腸内環境を整えましょう。野菜、果物、海藻、きのこなどを意識してバランスよく食べることが大切です。また、水分を十分に摂ることも便通改善に役立ちます。

運動習慣

適度な運動は、腸の蠕動運動を促進し、便通を改善する効果があります。毎日30分程度のウォーキングや軽い運動を心がけましょう。

ストレスの解消

ストレスは、自律神経のバランスを乱し、腸の働きに悪影響を及ぼします。リラックスできる時間を作る、趣味を楽しむなど、ストレスを解消する方法を見つけましょう。

排便習慣

便意を感じたら我慢せず、トイレに行きましょう。毎日同じ時間にトイレに行く習慣をつけることも大切です。

これらの生活習慣の改善に加えて、原因となっている病気があれば、その治療を行う必要があります。

よくある質問

A.便が細くなるのは、大腸がんの初期症状の1つである可能性があります。
ただし、便が細くなる原因は様々で、大腸がん以外にも、便秘や過敏性腸症候群、炎症性腸疾患などでも起こることがあります。

A.はい、病院を受診されることをおすすめします。
便が細い状態が続く場合は、大腸がんや炎症性腸疾患など、病気が隠れている可能性があります。消化器内科を受診し、医師に相談しましょう。

A.便が細く、血が混じっている場合は、消化器内科を受診しましょう。
大腸がんや炎症性腸疾患などの可能性があります。

A.ストレスで便が細くなることはあります。
ストレスを感じると、自律神経のバランスが乱れ、腸の働きにも影響を及ぼします。
その結果、便秘や下痢を引き起こし、便が細くなることがあります。

A.便が細くなる以外にも、大腸がんの症状には以下のようなものがあります。
・血便
・便秘や下痢
・残便感
・腹痛
・貧血
・体重減少
これらの症状が続く場合は、早めに消化器内科を受診し、検査を受けることをおすすめします。

まとめ

細い便の症状は、大腸がんや大腸ポリープ、過敏性腸症候群など、さまざまな消化器疾患の兆候である可能性があります。

便の異常や症状が続く場合は、早期に医療機関を受診し、医師の指導のもとで適切な検査を受け、診断・治療を受けることが大切です。
また、生活習慣の改善や定期的な大腸内視鏡検査を受けることで、大腸がんのリスクを低減することができます。

便の変化を意識し、健康を守るための行動を積極的に取り入れていきましょう。

記事監修

院長 石岡 充彬

日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

2011年秋田大学卒業。2018年より国内随一の内視鏡治療件数を誇るがん研有明病院の内視鏡診療部にて研鑽を積み、2021年同院健診センター・下部消化管内科兼任副医長。都内最大手内視鏡クリニックの院長職を経て、2024年、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

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