2024年10月27日
「食道が痛い」と感じたことはありませんか? 食べたものがつかえる、熱い飲み物を飲んだ時にしみる、胸やけがするなど、症状は様々です。食道の痛みは、日常生活に支障をきたすだけでなく、放置すると重篤な病気を引き起こす可能性も。
「でも、食道が痛い時って、何科を受診すればいいの?」
と悩んでいる方もいるかもしれません。
食道の痛みは、消化器内科が専門です。日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックでは、食道の痛みに関する様々な症状に対応しています。
食道が痛い時は何科を受診するべきか?
食道が痛い場合は、消化器内科を受診しましょう。
消化器内科は、食道、胃、腸などの消化器官の病気を専門的に診る診療科です。食道の痛みは、逆流性食道炎や食道がんなど、様々な病気が原因で起こる可能性があります。
消化器内科では、問診、内視鏡検査などを行い、痛みの原因を特定します。そして、原因に応じた適切な治療を行います。
「食道の痛み」といっても、症状は人それぞれです。
・食物がつかえる感じがする
・胸やけがする
・熱い飲み物を飲むとしみる
・吐き気がする
・げっぷがよく出る
など、様々な症状があります。
これらの症状に当てはまる場合も、消化器内科を受診することをおすすめします。
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食道が痛い時の原因と疑われる疾患
食道が痛くなる原因は様々ですが、ここでは代表的な疾患をいくつかご紹介します。
逆流性食道炎
胃酸が食道に逆流することで、食道の粘膜に炎症が起こる病気です。胸やけや胃もたれ、酸っぱい液体が口まで上がってくるなどの症状が現れます。また、これらの症状が目立たず、痛みだけを感じる方もいます。
食道裂孔ヘルニア
横隔膜の食道が通る部分(食道裂孔)から、胃の一部が胸腔内に脱出してしまう病気です。逆流性食道炎を併発しやすく、胸やけやげっぷ、呑酸などの症状が現れます。
食道アカラシア
食道と胃の境目にある括約筋がうまく弛緩せず、食物が胃に流れにくくなる病気です。食道が拡張し、食べ物が食道に溜まってしまうことで、胸の痛みや吐き気などの症状が現れます。
食道がん
食道の粘膜にできるがんです。初期にはほとんど症状がありませんが、早期の食道がんでも食べ物がしみるような症状を自覚され、これを契機に病気が発見されるケースもあります。また、病気が進行すると、食べ物がつかえる、胸が痛い、体重減少などの症状が現れます。
マロリー・ワイス症候群
激しい嘔吐などによって、食道と胃の境目の粘膜が裂けてしまう病気です。痛みとともに、吐血や黒色便などの症状が現れます。
カンジダ食道炎
カンジダ菌が食道に感染することで炎症が起こる病気です。食べ物がつかえる、胸が痛いなどの症状が現れます。
好酸球性食道炎
食道に好酸球という白血球が多く集まり、炎症を起こすアレルギー性の食道炎です。食べ物がつかえる、胸が痛いなどの症状が現れます。
上記以外にも、食道が痛くなる原因となる病気はあります。自己判断で放置せずに、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
食道が痛い時の対処法
食道が痛い時は、医療機関を受診することが大切ですが、痛みが強い時や、すぐに病院に行けない時のために、家庭でできる対処法を知っておきましょう。
食事の工夫
・刺激物を避ける
香辛料や熱いもの、冷たいものなど、食道を刺激するものは避けましょう。
消化の良いものを食べる: 脂肪分の多いものや、硬いものは消化に負担がかかるため、消化の良いものを食べるように心がけましょう。
・少量ずつ、よく噛んで食べる
一度にたくさん食べると、食道に負担がかかります。少量ずつ、よく噛んで食べましょう。
・食後すぐに横にならない
食後すぐに横になると、胃酸が逆流しやすくなります。食後2~3時間は、横になるのを避けましょう。
生活習慣の改善
・禁煙
タバコは、食道の粘膜を刺激し、炎症を悪化させる可能性があります。また食道がんのリスク因子にもなります。
・アルコールを控える
アルコールも、食道の粘膜を刺激し、食道炎や食道がんを引き起こします。飲酒は1日1合までを目安とし、週2日は休肝日を設けましょう。
・ストレスを解消する
ストレスは、食道の痛みを悪化させる可能性があります。
・肥満を解消する
肥満は、逆流性食道炎のリスクを高めます。適切な体重管理が症状と密接にリンクします。
市販薬の利用
・胃酸を抑える薬
市販の胃薬には、胃酸を抑える効果のあるものがあります。
・消化を助ける薬
消化酵素を配合した薬は、消化を助ける効果があります。
ただし、市販薬はあくまで一時的な対処法です。症状が改善しない場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
食道の痛みは放置せずに、医療機関へ相談を
食道の痛みは、比較的軽い症状で済む場合もありますが、放置すると重篤な病気を引き起こす可能性もあります。
例えば、逆流性食道炎を放置すると、食道狭窄やバレット食道などを引き起こし、食道がんのリスクを高めることが知られています。
また、食道がんは早期発見・早期治療が重要です。初期段階では自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行してしまうケースも多い病気です。
食道の痛みを感じたら、自己判断で放置せずに、早めに医療機関を受診しましょう。
医療機関では、問診、内視鏡検査、レントゲン検査などを行い、痛みの原因を特定します。そして、原因に応じた適切な治療を行います。
食道がんの検査では、内視鏡検査が有効です。内視鏡検査では、食道の内部を直接観察し、異常がないかを確認することができます。また、直接粘膜の一部を採取し顕微鏡で詳しく調べることにより、確定診断をつけることも可能です。
日本橋人形町消化器・内視鏡クリニックでは、経験豊富な消化器専門医が、最新の医療機器を用いて、丁寧な診療を行っています。 食道の痛みでお悩みの方は、お気軽にご相談ください。
よくある質問
Q.食道の痛みは、どんな時に起こりやすいですか?
A.食道の痛みは、食後、起床時、ストレスを感じている時、飲酒後、喫煙後に起こりやすくなります。
Q.食道が痛い時に、食べてはいけないものはありますか?
A. 食道が痛い時は、刺激物、脂肪分の多いもの、酸性の食品、アルコール、カフェイン、炭酸飲料は避けるようにしましょう。
Q.ストレスと食道の痛みは関係ありますか?
A.ストレスと食道の痛みは関係があります。
ストレスを感じると、自律神経のバランスが崩れ、胃酸の分泌が増加したり、食道の運動が低下したりすることがあります。
その結果、逆流性食道炎などの症状が悪化したり、食道の神経が知覚過敏状態となり、食道の痛みを感じやすくなることがあります。
Q.市販薬で食道の痛みは治りますか?
A.市販薬で食道の痛みを一時的に和らげることはできる場合がありますが、根本的な治療にはなりません。食道の痛みが続く場合は、医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けるようにしましょう。
Q.高齢者ですが、内視鏡検査は受けられますか?
A.高齢者の方でも内視鏡検査は可能です。また高齢となり腰が曲がってくると食道の炎症が悪化し痛みが強くなる場合があります。
内視鏡検査は、年齢に関係なく、食道の痛みや症状がある場合に有効な検査方法です。ただし、高齢者の方の場合は、全身状態や持病などを考慮して、検査を行うかどうかを判断する必要があります。ご心配な場合は、事前に医師にご相談ください。
Q.内視鏡検査は痛いと聞きますが、本当ですか?
A.内視鏡検査は、以前は苦痛を伴う検査でしたが、近年では、鎮静剤の使用などにより、苦痛が軽減されています。
当クリニックでは、患者さんの苦痛を最小限に抑えるよう、鎮静剤を使用した内視鏡検査を行っています。