トイレットペーパーに血が付いていたけど痛くない。受診すべきタイミングを解説|日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック

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トイレットペーパーに血が付いていたけど痛くない。受診すべきタイミングを解説

トイレットペーパーに血が付いていたけど痛くない。受診すべきタイミングを解説|日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック

2024年8月21日

トイレットペーパーに血がついて、ドキッとしたことはありませんか? 便器が真っ赤に染まっているのを見て、不安な気持ちになった方もいるかもしれません。「もしかして、大腸がんかも…」と心配になる方もいるでしょう。

でも、少し落ち着いてください。トイレットペーパーに血が付く原因は、大腸がんだけではありません。痔など、比較的ありふれた疾患が原因であることも多いのです。

この記事では、トイレットペーパーに血が付いた時の原因や、病院を受診すべきケースについて詳しく解説します。不安な気持ちを少しでも解消し、安心して適切な対応ができるよう、ぜひ最後まで読んでみてください。

トイレットペーパーに血が付く原因とは?

トイレットペーパーに血が付く原因は、大きく分けて以下の3つがあります。

内痔核(いぼ痔)は肛門周辺の静脈がうっ血し、腫れたり炎症を起こしたりする疾患です。排便時に出血することが多く、トイレットペーパーに血が付く最も一般的な原因の一つです。これに次ぐ裂肛(切れ痔)は、肛門の出口部分の裂傷で、ピリッと裂けるような痛みと出血が特徴的です。

大腸がん

大腸に発生する悪性腫瘍です。進行すると出血しやすく、血便やトイレットペーパーに血が付く症状が現れます。ポリープなど、良性の腫瘍でもサイズが大きい場合は出血を伴うケースもあります。

その他

炎症性腸疾患や感染症など、様々な疾患に伴う腸の炎症が原因で出血し、トイレットペーパーに血が付くこともあります。その他、憩室出血も突然の出血で発症する代表的な疾患です。

これらの原因の中で、最も多いのは痔です。しかし、出血の原因が痔であると思い込み、大腸がんなどの悪性疾患の発見が遅れると大変です。自己判断せず、必ず専門医を受診して適切な診断を受けることが重要です。

痔が原因の場合

痔には、いぼ痔、切れ痔、痔ろうの3つの種類があります。どの種類の痔であっても、排便時に出血することがあります

いぼ痔

肛門の内側や外側にいぼ状の腫れができる痔です。排便時に腫れがこすれて出血しやすく、トイレットペーパーに鮮やかな赤い血が付くことが多いです。

切れ痔

肛門が切れてしまうタイプの痔です。排便時に痛みを感じ、トイレットペーパーに鮮やかな赤い血が付きます。

痔ろう

肛門周囲の皮膚と直腸や肛門の内部とをつなぐ小さな管(瘻管)が形成される状態を指します。一般的に、肛門周囲に溜まった膿が原因で発生します。膿が出てくる際に、トイレットペーパーに血が混じって付くことがあります。

痔は、便秘や下痢、長時間の座りっぱなしなど、様々な要因で悪化することがあります。痔の症状を悪化させないためには、規則正しい生活習慣を心がけ、排便時にいきまないようにすることが大切です。

関連記事:いぼ痔切れ痔

大腸がんが原因の場合

大腸がんは、初期段階では自覚症状がないことが多く、進行するまで気づかないケースも少なくありません。しかし、がんが進行すると、以下のような症状が現れることがあります。

血便

便に血が混じる状態です。トイレットペーパーに血が付くだけでなく、便器の水が赤く染まったり、便自体に血液が混ざり込んだり、赤黒く変色したりすることもあります。

便秘や下痢

排便習慣の変化が見られることがあります。便秘や下痢を繰り返したり、便が細くなったりすることもあります。

腹痛や腹部不快感

下腹部を中心に、鈍い痛みや不快感を感じることがあります。大腸がんが大きくなると、体外から腫瘤を触れるようになる場合もあります。

貧血

出血が続くと、貧血を起こすことがあります。顔色が悪くなったり、疲れやすくなったり、動悸や息切れを感じたりすることがあります。

大腸がんは、早期発見・早期治療が重要です。40歳以上の方は、定期的に大腸がん検診を受けることをおすすめします。

関連記事:大腸がん血便便秘下痢腹痛

その他の疾患が原因の場合

トイレットペーパーに血が付く原因は、痔や大腸がん以外にも、以下のような疾患が考えられます。

肛門周囲の皮膚の荒れ

お尻の拭きすぎや、ウォシュレットの過度な使用などにより、肛門周囲の皮膚が荒れてしまうことがあります。排便時に痛みを感じ、トイレットペーパーに鮮やかな赤い血が付きます。

炎症性腸疾患

潰瘍性大腸炎やクローン病などの炎症性腸疾患でも、出血が起こることがあります。血便やトイレットペーパーに血が付くだけでなく、腹痛や下痢、発熱などの症状を伴うこともあります。

感染症

細菌やウイルスによる感染症でも、腸管から出血することがあります。腸管出血性大腸菌O157が特に有名ですが、その他の感染症でも起こり得ます。血便やトイレットペーパーに血が付くだけでなく、発熱や下痢、腹痛、嘔吐などの症状を伴うこともあります。

大腸ポリープ

大腸の粘膜にできる良性の腫瘍です。ポリープが大きくなると出血しやすく、血便やトイレットペーパーに血が付くことがあります。

これらの疾患も、放置すると重症化することがあります。気になる症状がある場合は、早めに専門医を受診しましょう。

関連記事:大腸ポリープ

病院を受診すべきタイミングとは?

トイレットペーパーに血が付いた場合、以下のケースでは、早めに病院を受診することをおすすめします。

出血が続く

出血が数日以上続く場合や、出血量が多い場合は、早めに受診しましょう。

血の色が黒い

血の色が黒っぽい場合は、上部消化管からの出血が疑われます。放置すると重症化することがあるので、すぐに受診しましょう。

腹痛や発熱を伴う

出血に加えて、腹痛や発熱などの症状がある場合は、感染症や炎症性腸疾患の可能性があります。早めに受診して適切な治療を受けましょう。

貧血の症状がある

出血が原因で貧血を起こすと、顔色が悪くなったり、疲れやすくなったり、動悸や息切れを感じたりすることがあります。貧血の症状がある場合は、早めに受診しましょう。

便通の変化がある

便秘や下痢が続く、便が細くなるなどの便通の変化がある場合は、大腸がんの可能性も考えられます。早めに受診して検査を受けましょう。

これらのケース以外にも、少しでも気になる症状がある場合は、我慢せずに専門医を受診しましょう。早期発見・早期治療が、健康な毎日を守る鍵となります。

消化器内科・肛門科を受診する際のポイント

消化器内科・肛門科を受診する際は、以下のポイントを押さえておくとスムーズです。

症状を詳しく伝える

出血の量や色、持続期間、痛みや便通の変化など、症状を詳しく伝えましょう。出血した際の拭いた紙や便器の中の写真を撮っておくことも診断の一つの鍵となります。

排便習慣や食生活について伝える

便秘や下痢の頻度、食生活の内容なども、医師に伝えるようにしましょう。

不安や疑問を相談する

肛門科の診察は恥ずかしいと感じる方もいるかもしれませんが、医師は専門家です。不安なことや疑問に思うことは、遠慮せずに相談しましょう。

検査を受ける

必要に応じて、肛門鏡検査や大腸内視鏡検査などの検査を受けることがあります。検査を受けることで、正確な診断と適切な治療につながります。

肛門科を受診することは、恥ずかしいことではありません。気になる症状がある場合は、早めに専門医を受診して、安心して治療を受けましょう。

よくある質問

Q.トイレットペーパーに血が付いても、痛みがなければ大丈夫ですか?

A.いいえ、痛みがない場合でも、出血が続く場合は注意が必要です。痔や大腸がんなどの疾患の可能性がありますので、早めに肛門科を受診して適切な診断を受けることをおすすめします。

Q.痔だと思って市販薬を使っていますが、病院を受診した方が良いですか?

A.市販薬である程度の症状改善が見られる場合もありますが、自己判断で痔と決めつけずに、一度は消化器内科・肛門科を受診して正確な診断を受けることをおすすめします。痔以外の疾患が原因である可能性もありますし、痔であっても適切な治療を受けることで、より早く症状を改善することができます。

Q.大腸がん検診は、どのくらいの頻度で受ければ良いですか?

A.一般的には、40歳以上の方は〜2年に1回、大腸がん検診を受けることをおすすめします。ただし、家族に大腸がんになった人がいる場合や、過去にポリープが見つかったことがある場合は、医師と相談して検診頻度を調整する必要があります。

Q.肛門科の診察は、痛いですか?

A.肛門科の診察は、患者さんの状態に合わせて慎重に行われますので、基本的には痛みを感じることはありません。ただし、肛門の緊張が強い場合や、炎症が強い場合、痔ろうなどの疾患がある場合は、痛みを感じることもあります。不安な場合は、事前に医師に相談しましょう。

まとめ

トイレットペーパーに血が付く原因は様々ですが、痔や大腸がんなどの疾患が隠れている可能性もあります。出血が続く場合や、血の色が黒い場合、腹痛や発熱を伴う場合、貧血の症状がある場合、便通の変化がある場合は、早めに消化器内科・肛門科を受診しましょう。早期発見・早期治療が、健康な毎日を守る鍵となります。

記事監修

院長 石岡 充彬

日本消化器病学会専門医
日本消化器内視鏡学会専門医・指導医

2011年秋田大学卒業。2018年より国内随一の内視鏡治療件数を誇るがん研有明病院の内視鏡診療部にて研鑽を積み、2021年同院健診センター・下部消化管内科兼任副医長。都内最大手内視鏡クリニックの院長職を経て、2024年、日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック開設。

詳しい経歴や実績については、こちらをご覧ください。

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